色とりどりの野菜と果物が並ぶ食卓

ファイトケミカル(植物性化学物質)とは?第7の栄養素として注目される成分群の基礎知識と食事への取り入れ方を解説【2026年版】

この記事の結論ファイトケミカルとは野菜・果物・お茶などの植物が合成するポリフェノール・カロテノイド・グルコシノレートなど数千種類の化学物質の総称です。「第7の栄養素」とも呼ばれますが公式分類ではなく、特定の疾病予防・治療効果を断言できる科学的根拠が揃うものは一部です。色とりどりの野菜・果物を組み合わせ、多様なファイトケミカルを...

ファイトケミカル(植物性化学物質)とは?第7の栄養素として注目される成分群の基礎知識と食事への取り入れ方を解説【2026年版】

監修:管理薬剤師 岩崎喜代美

ファイトケミカル(Phytochemical)とは、野菜・果物・豆類・お茶などの植物が自ら合成する化学物質の総称です。5大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)、第6の栄養素とされる食物繊維に続き、「第7の栄養素」として健康意識の高い方の間で注目が高まっています。医薬品ではないため疾病の治療・予防を目的とするものではありませんが、多様な野菜・果物を組み合わせる食習慣を通じ、さまざまなファイトケミカルをバランスよく取り入れることは、日常の食生活を豊かにするうえで意識する価値のある視点です。

ファイトケミカルとは何ですか?

「ファイト(Phyto)」はギリシャ語で「植物」を意味します。植物は、紫外線・病原菌・害虫などの外的ストレスから身を守るために、さまざまな化学物質を自ら合成しています。その総称がファイトケミカルであり、現在までに数千種類以上が確認されています(Liu RH, Advances in Nutrition, 2013)。ポリフェノール・カロテノイド・グルコシノレートなどが代表的なグループとして知られています。ヒトへの具体的な影響については研究段階のものも多く、食品として摂取した場合の効果は個人差があります。

なぜ「第7の栄養素」と呼ばれているのですか?

栄養学では5大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)が基本とされ、その後に食物繊維が「第6の栄養素」として広く認知されるようになりました。ファイトケミカルはこれらとは別の植物固有の機能性成分として位置づけられ、「第7の栄養素」と呼ばれることがあります。ただし、この呼称は農林水産省・厚生労働省などの公式分類ではなく、研究・教育・メディアの文脈で便宜的に用いられているものです。

栄養素の分類とファイトケミカルの位置づけ
分類 代表例 制度上の取り扱い
5大栄養素 たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル 栄養成分表示の必須記載項目・栄養機能食品の届出対象
第6の栄養素(食物繊維) イヌリン・難消化性デキストリン・β-グルカン 一部でトクホ・機能性表示食品の届出例あり
第7の栄養素(ファイトケミカル) ポリフェノール・カロテノイド・グルコシノレート等 一般食品・特定の成分のみ機能性表示食品/トクホ届出例あり・医薬品ではない

ファイトケミカルの主な種類は何ですか?

ファイトケミカルは化学構造によっていくつかの大カテゴリに分類されます。それぞれ異なる植物に含まれ、色や香り・苦みなどの特徴として現れることが多いです。日常的に食事から接しやすい代表的なグループを以下の表にまとめます。

主なファイトケミカルのカテゴリと代表成分・含有食品
カテゴリ 代表的な成分 主な含有食品 植物での役割
ポリフェノール(フラボノイド系) カテキン・アントシアニン・イソフラボン・フラボン 緑茶・ブルーベリー・大豆・玉ねぎ 紫外線・病原菌への防御
ポリフェノール(非フラボノイド系) レスベラトロール・クルクミン・クロロゲン酸 ぶどう・ターメリック・コーヒー 抗菌・ストレス応答
カロテノイド β-カロテン・リコペン・アスタキサンチン・ルテイン にんじん・トマト・サケ・ほうれん草 光合成補助・色素
グルコシノレート(含硫化合物) スルフォラファン(加水分解産物)・インドール ブロッコリー・キャベツ・大根 害虫・病原体への防御
有機硫黄化合物(アリル化合物) アリシン・アリイン・アリルスルフィド ニンニク・玉ねぎ・長ねぎ・ニラ 抗菌・忌避
テルペノイド リモネン・ゲラニオール・メントール 柑橘類の皮・ハーブ・ミント 昆虫忌避・香り
フィトステロール β-シトステロール・カンペステロール 植物油・ナッツ類・大豆 細胞膜の構成成分

ファイトケミカルが豊富な食品はどれですか?

ファイトケミカルは植物性食品に広く含まれており、一般的に色が濃い・香りが強い・苦みがある食品ほど豊富な傾向があります。文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」などを参考に、主なファイトケミカルと含有食品をまとめます。

ファイトケミカルを多く含む食品と代表成分・調理のポイント
食品 主なファイトケミカル 特徴・調理のポイント
ブロッコリー(生・軽蒸し) スルフォラファン(グルコシノレート由来) 生または軽い蒸しでミロシナーゼ酵素が残り産生されやすい
トマト(加熱) リコペン(カロテノイド) 加熱+油脂で吸収率が向上(生食より高い傾向)
ブルーベリー・紫玉ねぎ アントシアニン(フラボノイド) 青紫の色素成分・熱に比較的弱い
緑茶 カテキン(エピガロカテキンガレート等) 渋み成分・約70〜80℃のお湯で抽出量が多い
黒烏龍茶 ウーロン茶重合ポリフェノール 半発酵・酸化重合により構造が変化した烏龍茶固有のポリフェノール
大豆・豆腐・納豆 イソフラボン・フィトステロール 発酵(納豆・みそ)で吸収率が変化する場合がある
ニンニク アリシン(アリインから酵素反応で生成) 刻んだ・すりおろした後に放置すると産生が促進される
にんじん・かぼちゃ β-カロテン(カロテノイド) 脂溶性・油脂と組み合わせると吸収率向上
ぶどう(皮・種) レスベラトロール・プロアントシアニジン 皮・種に豊富。赤ワインにも含まれる

ファイトケミカルの働きはどこまで科学的に確認されていますか?

ファイトケミカルの多くは細胞実験(in vitro)や動物実験では抗酸化・抗炎症・免疫調節などに関連する反応が観察されています。しかし、日常的な食事から摂取できる量でヒトに同様の変化が起きるかは、個人差・摂取量・腸内細菌叢・遺伝的背景などにより異なります。

2026年の健康食トレンドとしては「フードホルミシス(Food Hormesis)」という考え方も注目されています。これは、植物が外敵から身を守るために合成する微量の化学物質(「弱い毒」)が、ヒトの生体に適度な刺激を与えて防御機能を高めるという仮説的な概念です(研究段階・断定不可)。スルフォラファンなどのグルコシノレートやポリフェノールの一部がその候補として挙げられています。

日本の機能性表示食品制度では、特定の成分について消費者庁へ科学的根拠を届け出ることで機能の表示が認められます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンのように、ポリフェノール系ファイトケミカルが機能性関与成分として届け出られた事例もありますが(消費者庁「機能性表示食品届出データベース」参照)、ファイトケミカル全体が制度的に認められているわけではありません。

日常の食事でファイトケミカルをバランスよく取り入れる5つのポイントは?

特定のファイトケミカルを高用量で摂ることより、多様な植物性食品を組み合わせることが日常の食事では基本とされています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」)。以下のポイントを参考に取り入れてみてください。

  1. 「色の多様性」で種類を増やす
    赤(トマト・パプリカ)・橙(にんじん・かぼちゃ)・緑(ブロッコリー・ほうれん草)・紫(ナス・ブルーベリー)・白(ニンニク・玉ねぎ)の5色を意識すると、異なるカテゴリのファイトケミカルをまんべんなく摂りやすくなります。
  2. 調理法を成分に合わせて工夫する
    リコペン(トマト)は加熱+油脂で吸収率が上がり、スルフォラファン(ブロッコリー)は軽い蒸しや生食がよいとされるなど、成分によって最適な食べ方が異なります。「生と加熱を組み合わせる」ことで全体的な損失を減らすことができます。
  3. 皮・外葉・殻も積極的に活用する
    ポリフェノールやカロテノイドの一部は皮や外側の部分に集中している場合があります。農薬基準内の国産食材は皮ごと調理することも有効な選択肢です。
  4. お茶・ハーブ・スパイスを日常に組み込む
    緑茶・黒烏龍茶・ターメリック・シナモン・ニンニクなどは比較的手軽にファイトケミカルを摂れる食材です。食事の彩りや風味を豊かにしながら種類を増やすことができます。
  5. 発酵食品・食物繊維と組み合わせる
    腸内細菌がポリフェノールなど一部のファイトケミカルの代謝・活性化に関与するとする研究があります(研究段階)。食物繊維や発酵食品と組み合わせることは、食事全体のバランスを整えるうえで有効と考えられています。

サプリメントとファイトケミカルはどのように関係していますか?

食品から摂取できるファイトケミカルの量は食材や調理法によって異なります。サプリメントとして特定成分を摂取する場合は、一般食品・機能性表示食品・トクホ・医薬品の区分を確認することが重要です(詳しくは「トクホ・機能性表示食品・健康食品の違い完全ガイド」を参照)。

naturism 3シリーズとファイトケミカルとの関係(参考比較)
製品 食品分類 関連するファイトケミカル成分 機能性届出の有無
naturism Blue 健康食品(一般食品) 黒烏龍茶ポリフェノール配合(ウーロン茶重合ポリフェノール) なし
KOSO in naturism(Pink) 健康食品(一般食品) 植物発酵物・穀物麹配合 なし
naturism Premium 機能性表示食品(H975) ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(機能性関与成分・ポリフェノール系) あり(腹部の脂肪に関する届出)

※ naturism Blue・Pink は健康食品(一般食品)であり、身体変化(体重の変化・体組成の変化等)に関する機能は届け出ていません。配合素材の事実と食事サポートとしての位置づけをご確認ください。

naturism Premium について(消費者庁届出H975より正確な表示を引用)
本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能があることが報告されています。
※本品は、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスを。BMIが高めで腹部の脂肪が気になる方を対象としています。未成年者・妊婦・授乳中の方の摂取はお控えください。

関連記事

出典

  • 消費者庁「機能性表示食品届出データベース」届出番号H975(2024年)
    https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42310470010100
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
  • 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
  • Liu RH. Health-promoting components of fruits and vegetables in the diet. Advances in Nutrition. 2013;4(3):384S-392S. doi:10.3945/an.112.003517
  • Durazzo A, et al. Phytochemicals: A Walk into a Fast-Evolving Field. Processes. 2020;8(5):579. doi:10.3390/pr8050579

よくある質問(FAQ)

Q1. ファイトケミカルを毎日一定量摂らないといけませんか?

ビタミン・ミネラルのように「欠乏症」が定義された必須栄養素ではないため、「毎日これだけ摂らなければならない」という公式な摂取基準は設定されていません。ただし、多様な野菜・果物を継続的に組み合わせることは、食事バランスの観点から厚生労働省の食事摂取基準でも推奨されています。食材の種類を増やすことがファイトケミカルの多様性につながります。

Q2. 「ファイトケミカル」と書かれたサプリを選ぶ際の注意点は?

サプリメントの表示には、一般食品・機能性表示食品・トクホの区分があります。「ファイトケミカル配合」と記載されているだけでは法的な機能の裏付けはなく、単なる成分含有の事実表示です。特定の成分で消費者庁に届け出た機能性関与成分(ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン等)のある機能性表示食品と、一般食品は区別して確認しましょう。医薬品との相互作用が懸念される場合は、医師・薬剤師にご相談ください。

Q3. 加熱調理するとファイトケミカルは壊れてしまいますか?

成分によって熱安定性は大きく異なります。リコペン(トマト)は加熱でむしろ組織が壊れて吸収されやすくなり、β-カロテン(にんじん)も油脂との加熱調理で吸収率が向上します。一方、スルフォラファン(ブロッコリー)はミロシナーゼ酵素が過熱で失活しやすいため軽い加熱や生食が有利とされます。「すべての成分を最大化する万能な調理法はない」ため、生食と加熱をバランスよく組み合わせることが現実的な対策です。

Q4. 「第7の栄養素」は公式な栄養学の分類ですか?

厚生労働省・農林水産省・消費者庁などが公式に定めた栄養学的分類ではなく、研究・教育・メディアの文脈で便宜的に用いられている表現です。ファイトケミカルの研究分野は現在も急速に拡大しており、科学的な定義・分類・評価基準は整備途上にあります。食事摂取基準への組み込みについても今後の議論が続いています。

監修体制

本記事は naturism 編集部が公開情報(消費者庁届出データベース・厚生労働省・PMDA 等)をもとに作成し、 管理薬剤師 岩崎喜代美が内容の正確性と表現を確認しています。 医薬品を扱う薬剤師の視点で、記事の内容に誤りや誇張がないかを確認しています。 本記事は医療・薬学的アドバイスを提供するものではありません。 ご自身の健康状態については医療機関にご相談ください。

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