一汁三菜の和食定食と健康長寿のイメージ

フレイルとは?サルコペニアとの違いと食事で備えるポイントを解説【2026年版】

この記事の結論フレイルは健康と要介護の間にある移行状態で、適切な食事・運動で改善・予防が可能です。タンパク質・ビタミンD・食の多様性が鍵。サルコペニア・ロコモとの違いや食事のポイント5選をJ-CHS基準・厚労省のデータをもとに解説します。

フレイルとは?サルコペニアとの違いと食事で備えるポイントを解説【2026年版】

フレイル(虚弱)とは、加齢によって筋力・活力・社会的つながりが低下し、健康な状態と要介護状態の間に位置する移行段階のことです。最大の特徴は「可逆性」があること——適切な食事・運動・社会参加の見直しにより、健康な状態に戻れる可能性があります。中でも食事でのタンパク質・ビタミンD・食物繊維の確保が、筋肉量の維持と腸内環境の両面から重要とされています。この記事では、フレイルとサルコペニアの違い、日本の評価基準、食事で取り組める具体的な5つのポイントを、厚生労働省・国立長寿医療研究センター等の公開情報をもとに解説します。

監修:管理薬剤師 岩崎喜代美

フレイルとはどのような状態を指すのか?

フレイルは「健康」と「要介護」の間にある移行段階で、身体・精神(認知)・社会的な機能が複合的に低下した状態です。厚生労働省の高齢者医療体制に関する指針でも、フレイル予防は健康寿命延伸の重要施策として位置づけられています。

評価には「J-CHS基準(Cardiovascular Health Study の日本語改訂版)」が用いられており、次の5項目のうち3項目以上に当てはまると「フレイル」、1〜2項目は「プレフレイル(予備軍)」と分類されます。

フレイルの日本版評価基準(J-CHS基準)5項目チェック
項目 判定のめやす
① 体重減少 意図しない年間 4.5 kg 以上、または 5% 以上の体重減少
② 疲労感 何をするにも疲れた感じが週 3〜4 日以上続く
③ 握力低下 男性 28 kg 未満 / 女性 18 kg 未満(AWGS 2019 基準に準拠)
④ 歩行速度低下 通常歩行速度 1.0 m/秒 未満
⑤ 身体活動量の低下 軽い体操や歩行などを週 1 回以上おこなっていない

65 歳以上の日本人では約 10〜20% がフレイル状態にあると推定されており(国立長寿医療研究センター, 2024)、後期高齢者(75 歳以上)では有病率がさらに高まるとされています。プレフレイル段階は特に重要で、この段階であれば生活習慣の改善による健康状態への回復が期待できます。

サルコペニアとフレイルはどう違うのか?

サルコペニアは「筋肉量の減少と、それに伴う筋力・身体機能の低下」を指す概念で、フレイルの身体的側面の主要な原因の一つです。一方フレイルは身体・精神・社会的な多面的機能低下を包括するより広い概念です。日本整形外科学会が提唱する「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」も関連する概念で、骨・筋肉・関節などの運動器全体の機能低下を指します。

フレイル・サルコペニア・ロコモの特徴比較
特徴 フレイル サルコペニア ロコモ
提唱・定義機関 国際老年医学会(IAGG)等 AWGS(アジア・サルコペニア・ワーキンググループ) 日本整形外科学会
主な対象領域 身体・精神・社会的機能(多面的) 骨格筋の量・筋力・身体機能 運動器全体(骨・筋肉・関節・軟骨)
評価方法 J-CHS 5 項目(問診・計測) 筋量測定(DXA / BIA法)+握力 / 歩行速度 ロコチェック・ 2 ステップテスト等
可逆性 高い(プレフレイル段階) 中程度(運動・食事介入で改善可能) 早期なら改善可能
食事で重要な栄養素 タンパク質・ビタミンD・食の多様性 タンパク質・ロイシン・ビタミンD カルシウム・ビタミンD(骨)+タンパク質(筋)

サルコペニアの診断基準(AWGS 2019 改訂版)では、筋量の低下に加えて握力低下(男性 28 kg 未満・女性 18 kg 未満)または歩行速度低下(1.0 m/秒 未満)のいずれかを満たす場合にサルコペニアと判定されます。サルコペニアがあるフレイルは「身体的フレイル」の中核とされ、転倒・骨折リスクとの関連が強いとされています。

フレイルが進むとどのようなリスクがあるのか?

フレイルが進行すると、転倒・骨折・入院・要介護状態への移行リスクが高まります。フレイルのある高齢者は、フレイルのない高齢者と比較して、要介護認定を受けるリスクが 2〜3 倍高いとされています(国立長寿医療研究センター調査)。さらに、フレイルは心疾患・認知機能低下・うつとの関連も報告されており、健康寿命(日常生活に制限のない期間)の短縮に直接的な影響を与えます。

  • 転倒・骨折リスクの増大:筋力低下により転倒しやすくなり、骨粗しょう症と重なると骨折が重症化しやすい
  • 要介護への移行:フレイルのある方は、そうでない方に比べて要介護認定リスクが 2〜3 倍高いとされる(国立長寿医療研究センター)
  • 認知的フレイルの進行:身体的フレイルと認知機能低下(認知的フレイル)は連動しやすく、両者が重なると認知症リスクが高まるとされる
  • 社会的孤立:外出頻度の減少が社会的フレイル(孤立・交流不足)を招き、精神的な落ち込みにつながるケースが多い
  • 入院・死亡リスク:フレイルは急性疾患からの回復力(レジリエンス)の低下とも関連し、入院期間の長期化リスクとも結びつく

一方で、プレフレイル(予備軍)段階であれば食事・運動・社会参加の見直しにより健康な状態へ回復できる可能性が高いことが多くの研究で示されており、40〜50 代からの予防意識が健康寿命の維持に有効とされています。

食事で取り組める5つのポイントとは?

フレイル・サルコペニア予防において、食事は最も即効性が期待できる介入の一つです。以下 5 つのポイントが重要とされています(厚生労働省・国立長寿医療研究センターの情報をもとに構成)。

  1. タンパク質を十分に摂る

    筋肉の主な材料となるタンパク質は、65 歳以上では体重 1 kg あたり 1.0 g 以上 / 日の摂取が推奨されています(厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2020 年版)。フレイル・サルコペニア予防の観点からは、さらに体重 1 kg あたり 1.2〜1.5 g / 日(運動との組み合わせで)の摂取が望ましいとする専門家も多くいます。

  2. ビタミンDを意識する

    ビタミンDは骨だけでなく筋肉の機能維持にも関与するとされ、不足すると筋力低下・転倒リスクが高まることが報告されています(厚生労働省 eヘルスネット)。夏でも在宅が続く場合や日焼け止め使用が多い場合は、食事(鮭・さんま・きのこ類)からの確保が重要です。

  3. 食物繊維・発酵食品で腸内環境を整える

    腸内フローラの多様性はフレイルの低リスクと関連するとの研究報告があります。野菜・海藻・豆類・発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルトなど)をバランスよく摂りましょう。短鎖脂肪酸産生を促す食物繊維の確保が腸内環境・免疫機能の両面で大切です。

  4. エネルギー不足にならないようにする

    極端な食事制限は筋肉の分解を招きます。特に高齢になると食欲低下が起きやすいため、「食べる量を維持する」こと自体が重要です。低栄養はフレイルの強力なリスク因子の一つとされています。

  5. 食事の多様性(10 食品群)を保つ

    厚生労働省の研究では、肉・魚・卵・大豆・乳・野菜・海藻・果物・油脂・芋の 10 食品群をバランスよく摂取することがフレイル予防と関連するとされています(「食品摂取多様性スコア」)。同じ食品だけに偏らない食事設計が大切です。

タンパク質は1日どのくらい摂れば良いのか?

厚生労働省の食事摂取基準(2020 年版)による推奨量は男性 65 歳以上で 60 g / 日、女性 50 g / 日です。ただしフレイル・サルコペニア予防の観点では、体重 1 kg あたり 1.0〜1.5 g を目安とする見解も多くあります(例:体重 60 kg の方なら 60〜90 g / 日)。

主なタンパク質源食品の含有量の目安(文部科学省 食品成分表 2020 年版)
食品 タンパク質量(概算) ポイント
鶏むね肉(皮なし)100 g 約 23 g 高タンパク・低脂肪。調理のしやすさで◎
鮭(生)100 g 約 22 g ビタミン D・EPA も同時に摂れる
卵(M 玉 1 個・約 50 g) 約 6 g アミノ酸スコア 100・吸収が良い
木綿豆腐 150 g(半丁) 約 10 g カルシウムも摂れる植物性タンパク
納豆 1 パック(50 g) 約 8 g 発酵食品・ビタミン K2 も含む
牛乳(200 ml コップ 1 杯) 約 7 g カルシウム・ビタミンDと組み合わせ効率◎
ギリシャヨーグルト(100 g) 約 9〜10 g 乳タンパク・プロバイオティクス

ポイント①:毎食に均等分散
タンパク質は 1 回 20〜30 g ずつ、毎食に分けて摂取することが筋タンパク質合成の観点から効果的とされています。一度にまとめて摂っても利用効率が下がることが知られています(「タンパク質のパルス摂取」と「均等摂取」の比較研究)。

ポイント②:ロイシンを意識する
必須アミノ酸のひとつである「ロイシン」は筋タンパク質合成のシグナルを活性化するとされており、乳製品(特にホエイ)・鶏肉・卵などの動物性タンパク質に多く含まれています。

※タンパク質はnaturism 全製品において配合・補給を目的とした成分ではありません。食事からの確保を基本とし、必要に応じてかかりつけ医・管理栄養士にご相談ください。

フレイル予防で意識したいその他の栄養素は?

フレイル・サルコペニア予防に関連する主な栄養素と食品のまとめ
栄養素 一般的に報告されている役割 主な食品 注意点
ビタミン D 筋機能・骨密度への関与が研究で報告されている 鮭・さんま・干しシイタケ・卵黄 過剰摂取に注意(耐容上限量あり)
カルシウム 骨の構成成分・神経・筋肉機能 牛乳・ヨーグルト・小魚・豆腐 ビタミン D と一緒に摂ると吸収効率◎
ビタミン B6・B12 タンパク質代謝・神経機能 まぐろ・鶏レバー・バナナ B12 は加齢で吸収低下しやすい
葉酸 ホモシステイン代謝・認知機能との関連 緑葉野菜・納豆・ブロッコリー 加熱に弱いため調理方法を工夫
食物繊維 腸内フローラ多様性・短鎖脂肪酸産生 野菜・豆類・海藻・全粒穀物 水分と一緒に摂ることが重要
亜鉛 タンパク質合成・味覚機能 牡蠣・赤身肉・ナッツ類 加齢で食欲低下→亜鉛不足→食欲さらに低下の悪循環に注意

これらの栄養素はnaturism 全製品において配合・補給を目的とした成分ではありません。多様な食品からバランスよく摂ることを優先してください。

サプリメントはどのように位置づければ良いのか?

フレイル・サルコペニアの予防・対策の主役は食事と運動です。サプリメントはあくまで「食事から摂りきれない部分を補う補助的な手段」として位置づけましょう。サプリを選ぶ際は食品区分(健康食品 / 機能性表示食品 / トクホ)の違いを理解したうえで、目的に合ったものを選ぶことが大切です。

naturism 3シリーズの食品区分・主要成分・位置づけ比較
製品 食品区分 主な配合成分 位置づけ
naturism Blue 健康食品(一般食品) 黒烏龍茶ポリフェノール・L-カルニチン・食物繊維(イヌリン)・玄米外皮・胚芽・アロエベラ 食事を楽しみたい方の食事サポート。カロリーが気になる方に。人工香料・着色料・保存料不使用
KOSO in naturism(Pink) 健康食品(一般食品) 穀物麹(W酵素)・植物発酵物・L-カルニチン・アロエベラ・乳酸菌発酵物(植物由来) 酵素・インナーケア(体の内側のコンディション)も意識したい方の食事サポート
naturism Premium 機能性表示食品(H975) ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(機能性関与成分)・穀物麹・白インゲンマメ・アロエベラ・サラシアレティキュラータほか BMIが高めで腹部の脂肪が気になる方向けの機能性表示食品

naturism Premium(機能性表示食品 届出番号 H975)には次の届出表示があります:

本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンには、BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能があることが報告されています。

本品は、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。未成年者・妊婦・授乳中の方はご利用をお控えください。食生活は主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスを。

フレイル予防に最も重要なタンパク質・ビタミンD・カルシウムは、いずれのnaturism製品においても配合・補給を目的とした成分ではありません。まず食事から十分量を確保することを優先し、不足が気になる場合は医療機関や管理栄養士へのご相談をお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q. フレイルと老化(加齢)は同じことですか?

いいえ、異なります。老化(加齢)は生物学的な避けられない過程ですが、フレイルは「加齢の中で起こる機能低下の状態」であり、特にプレフレイル段階であれば食事・運動・社会参加などの介入で健康な状態に戻れる可能性があるとされています。すべての高齢者がフレイルになるわけではなく、予防・改善に取り組む余地があることが重要な違いです。

Q. 何歳ごろからフレイル予防を意識すれば良いですか?

専門家の間では40 代・50 代からの「ミドルフレイル予防」が提唱されています。骨格筋の量(筋肉量)は 30 代をピークに年間 0.5〜1% 程度低下すると言われており、筋肉を守る食習慣(十分なタンパク質摂取・食の多様性確保)は若い世代から続けることが有効とされています。65 歳以降の介入も十分に意味がありますが、早めの対策が健康寿命の延伸につながります。

Q. サルコペニアは自分でチェックできますか?

簡易スクリーニングとして「SARC-F(5 項目の問診票)」や「指輪っかテスト(ふくらはぎの最も太い部分を両手の親指と人差し指で囲めるかどうか)」が知られています。指輪っかテストでは、囲めてしまう場合にサルコペニアのリスクが高いとされています(ただし簡易テストであり確定診断ではありません)。確定診断には医療機関での筋量測定(DXA 法・BIA 法)と握力・歩行速度の測定が必要です。気になる方はかかりつけ医や地域包括支援センターにご相談ください。

Q. 「プロテイン(タンパク質補助食品)」サプリは飲むべきですか?

医療機関や管理栄養士との相談なしに大量摂取するのは望ましくありません。まず食事からのタンパク質確保(肉・魚・卵・大豆・乳製品のバランスよい摂取)が基本です。腎機能に問題がある場合はタンパク質制限が必要なケースもあります。高齢の方が自己判断でプロテインを多量に摂取することは、腎臓への負担増加につながる可能性があるため、医師への相談が特に重要です。

Q. フレイルの食事改善はどこに相談すれば良いですか?

かかりつけ医・管理栄養士・地域の管理栄養士が在籍する地域包括支援センターが最初の相談先として適しています。自治体によってはフレイル予防教室や栄養相談の窓口を設けているところもあります。厚生労働省の「フレイル対策」ページや国立長寿医療研究センターの「老化のページ」も参考になります。

関連記事

出典

  1. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」厚生労働省, 2019年12月公表
    URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
  2. 国立長寿医療研究センター「フレイルの評価と概念」国立長寿医療研究センター, 2024年
    URL: https://www.ncgg.go.jp/
  3. Chen LK et al. "Asian Working Group for Sarcopenia: 2019 Consensus Update on Sarcopenia Diagnosis and Treatment." J Am Med Dir Assoc. 2020; 21(3): 300-307.
  4. 消費者庁「機能性表示食品届出情報検索」届出番号 H975(naturism Premium)
    URL: https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/
  5. 厚生労働省「e-ヘルスネット」フレイル / ロコモティブシンドローム
    URL: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

監修体制

本記事は naturism 編集部が公開情報(消費者庁届出データベース・厚生労働省・PMDA 等)をもとに作成し、 管理薬剤師 岩崎喜代美が内容の正確性と表現を確認しています。 医薬品を扱う薬剤師の視点で、記事の内容に誤りや誇張がないかを確認しています。 本記事は医療・薬学的アドバイスを提供するものではありません。 ご自身の健康状態については医療機関にご相談ください。

ブログに戻る