緑葉野菜とビタミンKの基礎知識

ビタミンKとは?骨と血液凝固を支える脂溶性ビタミンの基礎知識と食事での正しい摂り方を解説【2026年版】

この記事の結論ビタミンKはK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)の2種類があり、血液凝固と骨形成を支える脂溶性ビタミンです。成人の摂取目安量は150µg/日(食事摂取基準2025年版)で、緑葉野菜・納豆から摂取できます。ワーファリン服用中の方は医師への相談が必須です。

ビタミンKとは?骨と血液凝固を支える脂溶性ビタミンの基礎知識と食事での正しい摂り方を解説【2026年版】

監修:管理薬剤師 岩崎喜代美

ビタミンKは、血液凝固と骨形成の2つの生理機能に関わる脂溶性ビタミンです。日本人の食事摂取基準(2025年版)では成人の1日の目安量を150µgに設定しており、緑葉野菜や納豆などの食品から摂取できます。通常の食事では不足しにくい栄養素ですが、新生児や抗凝固薬(ワーファリン)服用中の方は特別な注意が必要です。本記事では、ビタミンKの種類・働き・含有食品・摂取目安をまとめて解説します。

ビタミンKとはどのような栄養素か?

ビタミンKは、体内でタンパク質の「γ-カルボキシグルタミン酸化(Gla化)」という反応を助ける補酵素として働く脂溶性ビタミンです。この反応が正常に機能することで、血液凝固と骨代謝という2つの重要な生理プロセスが維持されます。

脂溶性ビタミンには、ビタミンA・D・E・Kの4種類があります。ビタミンDが骨へのカルシウム吸収を促す役割を持つのに対し、ビタミンKはそのカルシウムを骨のタンパク質に「固定する」工程を担います。両者は骨の健康において異なる段階を受け持つ、補完的な関係にあります(ビタミンDについてはこちらの記事で詳しく解説しています)。

ビタミンKは食品からの摂取だけでなく、腸内細菌の一部がビタミンK2(メナキノン-7など)を産生するため、健常な腸内環境も摂取に寄与します。ただし腸内細菌由来の量はわずかであり、食事からの補給が基本です。

ビタミンK1とK2はどう違うのか?フィロキノンとメナキノンを比較

ビタミンKには「K1(フィロキノン)」と「K2(メナキノン)」という2種類があり、由来・働き・体内での動態が異なります。食品選択に役立てるために、主な違いを以下の表で整理します。

ビタミンK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)の比較
項目 K1(フィロキノン) K2(メナキノン)
主な由来 植物(緑葉野菜) 動物性食品・発酵食品・腸内細菌
代表的な食品 ほうれん草・ブロッコリー・小松菜・モロヘイヤ 納豆(MK-7)・チーズ・卵黄(MK-4)
体内での主な機能 血液凝固因子の活性化(肝臓中心) 骨のオステオカルシン活性化(骨・末梢組織中心)
半減期(体内滞留時間) 短い(約1〜2日) MK-7は長い(約3日)。MK-4は短い
食事摂取基準2025年版での扱い K1・K2を合算して目安量150µg/日(成人)

日本人の食生活においては、食事からのビタミンK摂取の多くを緑葉野菜によるK1が占めますが、納豆を定期的に食べる場合はK2(特にMK-7)の摂取割合も増加します。骨代謝へのサポートという観点では、K2(特にMK-7)が研究されているケースが多く見られます(コツコツ骨ラボ「食事摂取基準の見直しとビタミンK2の新たな効能」2024年)。

ビタミンKが不足すると体に何が起こるのか?

ビタミンKが不足すると、血液凝固に関わる機能と骨代謝への影響が現れる可能性があります。ただし、通常の食事を摂っている成人では欠乏症はまれです。特に注意が必要な状況は以下のとおりです。

  • 新生児・乳児:母乳に含まれるビタミンKが少ないため、新生児は出生時に医療機関でビタミンK2シロップを投与されます(母乳栄養の乳児への「新生児メレナ」予防)。
  • 長期の抗生物質服用:腸内細菌によるK2産生が抑えられる場合があります。
  • 脂肪吸収障害のある方:ビタミンKは脂溶性のため、脂質の吸収が低下している状態では欠乏リスクが高まります。
  • 高齢者:食事量の低下や食品選択の偏りにより、摂取量が不足するケースがあります。

成人でビタミンKが慢性的に不足した場合の指標として、血液凝固検査(プロトロンビン時間の延長)や、骨の代謝マーカー(低カルボキシル化オステオカルシンの上昇)などが研究上で用いられます。ただし、これらの指標の変化が直ちに健康への悪影響を意味するわけではなく、医療機関でのご確認が必要です。

ビタミンKを多く含む食品はどれか?

ビタミンKの摂取源としてもっとも実用的なのは、緑葉野菜と発酵食品(特に納豆)です。以下に代表的な食品の含有量を示します(文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに整理)。

ビタミンKを多く含む主な食品と目安量(可食部100gあたり)
食品 ビタミンK(µg/100g) 主な種別 1食の目安量
モロヘイヤ(生) 640 K1 約50g(葉のみ)
ほうれん草(生) 270 K1 約70g(1〜2株)
小松菜(生) 210 K1 約80g(1/4束程度)
納豆(糸引き) 600(MK-7中心) K2 約50g(1パック)
ブロッコリー(生) 120 K1 約80g(3〜4房)
ケール(生) 210 K1 約50g
卵(全卵) 10 K2(MK-4) 約50g(1個)
プロセスチーズ 35 K2(MK-4・MK-8) 約20g(1枚)

成人の1日の目安量150µgは、ほうれん草約55g(1束の約1/4)や納豆1パック(50g)でほぼ摂取できる量です。日常的に緑葉野菜や納豆を食べている場合、通常の食事でほぼ充足します。

調理の工夫として、K1は脂溶性ビタミンのためオリーブオイルなど油脂と一緒に摂ると吸収率が上がります(一般に緑葉野菜をサラダ油やドレッシングと合わせる食べ方が効果的とされています)。

1日の摂取目安量はどのくらいか?上限量の設定はあるのか?

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、ビタミンKの摂取量は「目安量」として設定されています(「推奨量」ではなく「目安量」であることに注意。摂取量の科学的根拠が「推奨量」を設定するには不十分であるため)。

ビタミンKの摂取目安量(日本人の食事摂取基準2025年版)
年齢区分 目安量(µg/日)男女共通 耐容上限量
18〜29歳 150 設定なし
30〜49歳 150
50〜64歳 150
65歳以上 150

耐容上限量は設定されていません。通常の食品から摂取した場合、ビタミンKの過剰摂取による健康被害は確認されていないためです。ただし、後述するワーファリン(ワルファリン)との相互作用がある点は例外です。

ワーファリン服用中の方が注意すべきことは?

ビタミンKに関して最も重要な注意点のひとつが、抗凝固薬「ワーファリン(ワルファリン)」との関係です。ワーファリンはビタミンKと拮抗してその作用を阻害することで、血栓症・心房細動・人工弁などの治療・予防に用いられる医薬品です。

ワーファリン服用中にビタミンKを多く含む食品を摂取すると、薬の効果が弱まる(血液凝固しやすくなる)ことがあります。特に注意が必要な食品は以下のとおりです。

  • 納豆:MK-7含量が非常に多く、腸内細菌増殖も促すため、ワーファリン服用者は原則摂取を避けるよう医療機関から指導されます。
  • 緑葉野菜(ほうれん草・ブロッコリー・小松菜等):毎日の摂取量を一定に保つことが重要です(急激な量の増減がワーファリン効果の変動につながります)。
  • クロレラ・青汁等:ビタミンK1含量が多い製品があります。

ワーファリンを服用中の方は、食事内容の変更や新たなサプリメント摂取を始める前に、必ず担当医・薬剤師にご相談ください。

naturism 3シリーズとビタミンKの関係

naturism(ナチュリズム)の3製品は、それぞれ異なるコンセプトで食事サポートを目的に設計されています。各製品にビタミンKは配合されておらず、ビタミンKに関する機能届出もしていません。3製品の概要を以下にまとめます。

naturism 3シリーズの概要とビタミンKとの関係
製品 カテゴリ 主な配合成分 ビタミンKの届出
naturism Blue 健康食品(一般食品) 黒烏龍茶ポリフェノール・L-カルニチン・イヌリン・玄米外皮・胚芽・アロエベラ なし
KOSO in naturism Pink 健康食品(一般食品) 穀物麹(大豆麹)・植物発酵乾燥粉末・L-カルニチン・アロエベラ・イヌリン なし
naturism Premium 機能性表示食品(届出番号H975) ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(機能性関与成分)・穀物麹(大麦麹)・白インゲンマメ・サラシアレティキュラータ 等16種 なし(機能性関与成分はブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンのみ)

ビタミンKは食事(緑葉野菜・納豆)から摂取することが基本です。

naturism Premium(届出番号H975)の届出表示は以下のとおりです:

本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能があることが報告されています。

※ 本品は、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。

naturism Premium は機能性表示食品であり、消費者庁の許可品ではなく届出制の制品です。機能性は上記の届出表示の範囲に限られます。詳細はこちらのページをご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ビタミンKはサプリメントで補う必要があるの?

通常の食事(緑葉野菜や納豆を日常的に摂る食生活)をしている成人の場合、ビタミンKは食事から概ね充足できます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食事からの摂取を基本としており、健康な成人がサプリメントで別途補給する必要性は通常高くありません。ただし、骨粗鬆症の治療薬として「メナテトレノン(ビタミンK2製剤)」が医薬品として処方されることがあります。これは医師の処方が必要な医薬品であり、市販のサプリメントとは異なります。

Q2. 納豆を毎日食べればビタミンKは十分に摂れるの?

納豆1パック(約50g)には約300µgのビタミンKが含まれており、成人の1日の目安量150µgを単独で上回ります。毎日食べることでビタミンKの摂取は充足できます。ただし、繰り返しになりますが、ワーファリン服用中の方は納豆を避けるよう医療機関から指示されるのが一般的です。服用中の方は必ず担当医に相談してください。

Q3. ビタミンKとビタミンDは一緒に摂った方がよいの?

骨の健康という観点では、ビタミンDはカルシウムの腸管吸収を促し、ビタミンKは骨のタンパク質(オステオカルシン)を活性化してカルシウムを骨に固定するという、異なる段階での役割を持ちます。研究上では両者を同時に評価するケースもありますが、「一緒に摂ると効果が増す」という確定的な結論は、現時点では食事摂取基準の根拠として示されていません。まずはそれぞれを食事から充足することが基本です(ビタミンDについての詳細はこちらの記事をご参照ください)。

Q4. 子どもへのビタミンKの必要量は成人と異なるの?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、子どもの目安量は成人より低く設定されています(例:1〜2歳で50µg/日程度)。また、出生直後の新生児については、消化管出血予防のためにビタミンK2シロップが医療機関で投与されます。乳幼児・小児のビタミンK摂取については小児科医にご相談ください。

まとめ:ビタミンKと食事の基本ポイント

  • ビタミンKはK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)の2種類があり、血液凝固と骨形成を支える脂溶性ビタミンです。
  • 日本人の食事摂取基準(2025年版)では成人の目安量は150µg/日で、耐容上限量は設定されていません。
  • 緑葉野菜(ほうれん草・小松菜・ブロッコリー・モロヘイヤ)と納豆が主要な摂取源です。
  • 通常の食事から摂取している成人では欠乏症はまれですが、新生児・抗生物質の長期服用者・脂肪吸収障害のある方は注意が必要です。
  • ワーファリン服用中の方は、ビタミンKを多く含む食品(特に納豆)の摂取について必ず担当医・薬剤師に相談してください。
  • ビタミンKはnaturismの3製品には配合されておらず、食事からの摂取が基本です。naturism Premiumの機能性関与成分はブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(届出番号H975)です。

サプリメントのラベルや成分表示の読み方については、「サプリメントのラベルの読み方完全ガイド」もあわせてご覧ください。また、ビタミンEについてはこちらの記事、カルシウムとの関係についてはカルシウムの解説記事もご参照ください。

出典・参考資料

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」脂溶性ビタミン ビタミンK(2024年公表)
  • 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(2020年公表)
  • 消費者庁 機能性表示食品届出情報検索 届出番号H975 ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(2026年8月確認・撤回フラグなし)

監修体制

本記事は naturism 編集部が公開情報(消費者庁届出データベース・厚生労働省・PMDA 等)をもとに作成し、 管理薬剤師 岩崎喜代美が内容の正確性と表現を確認しています。 医薬品を扱う薬剤師の視点で、記事の内容に誤りや誇張がないかを確認しています。 本記事は医療・薬学的アドバイスを提供するものではありません。 ご自身の健康状態については医療機関にご相談ください。

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