発酵食品と腸内フローラのイメージ

プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスとは?腸活の基礎知識と食事での取り入れ方を科学的に解説

この記事の結論プロバイオティクスは「生きた有益な微生物」、プレバイオティクスは「善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖」、シンバイオティクスはその両方を組み合わせたアプローチです。WHO/FAOの定義をもとに、食事での取り入れ方を整理しています。

プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスとは?腸活の基礎知識と食事での取り入れ方を科学的に解説

監修:管理薬剤師 岩崎喜代美

「プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いがよくわからない」「シンバイオティクスという言葉を聞いたが何のことか」——そう感じる方は少なくありません。プロバイオティクスは「生きた有益な微生物(乳酸菌・ビフィズス菌など)」、プレバイオティクスは「善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などの食品成分」、シンバイオティクスはその両方を組み合わせたアプローチです。2026年は腸活への科学的な関心がさらに高まっており、管理栄養士を対象とした調査でも「発酵食品」が健康トレンド食材1位に予測されています(あすけんトレンド予測2026)。本記事では3つの概念の違いをわかりやすく整理し、食事や日常生活への具体的な取り入れ方を解説します。

プロバイオティクスとは何ですか?

プロバイオティクスとは、「十分な量を摂取したとき、宿主(ヒト)に健康上の利益をもたらす生きた微生物」です。この定義はWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が2001年に共同で定めたものです(※1)。代表的な菌として次のものが研究されています。

  • 乳酸菌(ラクトバシルス属):ラクトバシルス・ブルガリクス、ラクトバシルス・カゼイなど。ヨーグルトや乳製品・漬物に多い
  • ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム属):ビフィドバクテリウム・ロンガム、B・ブレーベなど。ヒトの大腸に多く生息する
  • 一部の酵母・バチルス菌:納豆菌(バチルス・スブチリス var. natto)など

腸内には約1,000種・数百兆個ともいわれる細菌が生息しており(※2)、その細菌叢(腸内フローラ)のバランスが健康と関わることが多くの研究で注目されてきました。ただし、食品に含まれるすべての乳酸菌がプロバイオティクスとして機能するわけではなく、日本では機能性を表示するには消費者庁への届出(機能性表示食品制度)が必要です。

プロバイオティクスを含む主な食品はヨーグルト・乳酸菌飲料・味噌・納豆・ぬか漬け・キムチなどです。これらは日本の伝統的な食文化に根ざした発酵食品でもあります。

プレバイオティクスとは何ですか?

プレバイオティクスとは、「腸内の有益な微生物を選択的に増殖・活性化させることで、宿主に健康をもたらす基質(食品成分)」です。ISAPP(国際プロバイオティクス・プレバイオティクス科学学会)が2017年に改定した定義です(※3)。一言でいえば、腸内の善玉菌の「エサ」となる食品成分のことです。

プレバイオティクスの代表的な種類は次のとおりです。

  • フラクトオリゴ糖(FOS):たまねぎ・ゴボウ・にんにく・バナナに豊富。ビフィズス菌の増殖を促すことで知られる
  • イヌリン:チコリの根・ゴボウ・ダリアの根に多い。水溶性食物繊維の一種
  • 難消化性デキストリン:とうもろこしでん粉から製造された水溶性食物繊維。食後の血糖値の急激な上昇を抑えることがトクホとして認められているものもある
  • ガラクトオリゴ糖(GOS):母乳や牛乳由来。乳児の腸内環境研究で多く使われる
  • ペクチン:りんご・かんきつ類の皮に多い水溶性食物繊維

プレバイオティクスは消化・吸収されにくいため大腸まで届き、ビフィズス菌などのエネルギー源となります。ただし、プレバイオティクスを含む食品が「腸内環境を整える」などの機能を表示するには、プロバイオティクスと同様に機能性表示食品や特定保健用食品(トクホ)としての届出が必要です。

シンバイオティクスとは何ですか?

シンバイオティクス(Synbiotics)とは、プロバイオティクス(有益な生きた微生物)とプレバイオティクス(その菌のエサ)を組み合わせた食品・サプリメントのアプローチです。プロバイオティクスの菌がプレバイオティクスを栄養源として利用することで、腸内での増殖や定着が促される相乗効果を期待する考え方です。

身近な食事でシンバイオティクスに近い組み合わせとしては次のものがあります。

  • ヨーグルト(乳酸菌)+バナナやはちみつ(フラクトオリゴ糖)
  • 納豆(納豆菌)+玄米ご飯(食物繊維)
  • 味噌汁(乳酸菌・麹菌)+ゴボウやわかめ(プレバイオティクス)

3つの概念の違いを比較表で整理

プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスの違いまとめ
項目 プロバイオティクス プレバイオティクス シンバイオティクス
定義 有益な生きた微生物 善玉菌のエサとなる食品成分 プロバイオティクス+プレバイオティクスの組み合わせ
代表例(成分) 乳酸菌・ビフィズス菌・酵母・納豆菌 イヌリン・フラクトオリゴ糖・難消化性デキストリン・ペクチン 両方を組み合わせた食品・サプリ
主な食品 ヨーグルト・納豆・味噌・キムチ・ぬか漬け ゴボウ・たまねぎ・バナナ・チコリ・りんご ヨーグルト+バナナ、味噌汁+ゴボウ など
加熱への耐性 多くの菌は60°C以上で死滅 食物繊維・オリゴ糖は比較的安定 菌成分は加熱に注意が必要
日本の制度上の機能表示 機能性表示食品またはトクホとして届出が必要 機能性表示食品またはトクホとして届出が必要 個別の成分・組み合わせごとに届出が必要

2026年の腸活最前線:「トリプル・シンバイオティクス」とポストバイオティクスとは?

2026年の健康食品業界では、腸活アプローチが「生きた菌を摂る」から一歩進んでいます。注目は「ポストバイオティクス」:腸内細菌が産生する代謝産物(短鎖脂肪酸・乳酸・ビタミンK2など)や菌の構造成分を指し、ISAPPが2021年に定義しました(※4)。プロバイオティクス・プレバイオティクス・ポストバイオティクスの3つを組み合わせる「トリプル・シンバイオティクス」が注目されています(国内健康食品業界トレンド調査2026)。ただし「ポストバイオティクス」は日本の制度上まだ定義が整備されていない段階(2026年6月現在)であり、表示規制の動向に引き続き注意が必要です。

腸内フローラを乱す主な要因は何ですか?

腸内フローラは食事・生活習慣・ストレスなどの影響を受けて変化します。主に乱れの原因となるとされる要因を押さえておきましょう。

  • 食生活の偏り:肉類・加工食品に偏り、野菜・食物繊維・発酵食品が不足する食事は、腸内細菌の多様性に影響するとされています
  • 抗生物質の使用:治療目的の抗生物質は有害菌だけでなく有益な菌も影響を受けることがあります。服薬後は医師の指示に従って対処してください
  • ストレス・睡眠不足:脳と腸は「腸脳相関」とよばれる神経ネットワークでつながっており、精神的ストレスや慢性的な睡眠不足が腸内環境に影響するとの研究報告があります(※2)
  • 急激な食事変化:海外旅行や生活環境の大きな変化で一時的に腸内フローラが変動することがあります
  • 加齢:年齢を重ねるにつれビフィズス菌が減少しやすいことが報告されています(※5)

腸活を食事で実践するには?代表的な食品と取り入れ方のポイント

腸活に関連する主な食品とその特徴・注意点
食品 分類 特徴 注意点
ヨーグルト プロバイオティクス 乳酸菌・ビフィズス菌を含む。種類が多く菌株を選べる 菌の種類・量は製品により大きく異なる
納豆 プロバイオティクス 納豆菌(バチルス・スブチリス)を含む。タンパク質も豊富 加熱すると菌の活性が落ちるため、生で食べる方が一般的
味噌 プロバイオティクス 乳酸菌・麹菌(アスペルギルス)を含む発酵食品 煮沸すると生菌数が大幅に減少する場合がある
キムチ・ぬか漬け プロバイオティクス 植物性乳酸菌(ラクトバシルス属等)が豊富 食塩相当量が高いため摂りすぎに注意
ゴボウ・たまねぎ プレバイオティクス イヌリン・フラクトオリゴ糖が豊富。食物繊維も多い 加熱後も食物繊維は残る。過剰摂取でガスが増えることも
バナナ(未熟) プレバイオティクス 難消化性でんぷん・フラクトオリゴ糖含有 熟すと糖度が上がるため食べる量に留意
りんご・かんきつ類の皮 プレバイオティクス ペクチン(水溶性食物繊維)が豊富 農薬の懸念がある場合はよく洗うか有機品を選ぶ

「発酵食品を毎日食べましょう」と言われますが、ポイントは「継続・多様化・食物繊維との組み合わせ」です。1種類の食品に集中するより、いくつかの発酵食品を小量ずつ取り入れ、野菜・海藻・きのこ類など食物繊維が豊富な食品と組み合わせることが基本です。

腸活サプリを選ぶ際に確認すべきポイントは?

腸活関連のサプリを選ぶ場合、まず「そのサプリが機能性表示食品・特定保健用食品(トクホ)か、それとも一般健康食品か」を確認することが重要です。

  • 特定保健用食品(トクホ):消費者庁の審査・許可を受けて機能表示ができる。「腸内フローラのバランスを整える」等の表示が付いた製品はトクホか機能性表示食品
  • 機能性表示食品:届出番号に基づき機能表示が可能。届出番号は消費者庁のデータベースで誰でも確認できる
  • 一般健康食品(健康食品):身体変化(腸内環境改善・整腸等)の機能を表示することはできない。配合事実の記載のみ許容

購入前には、製品パッケージに届出番号が表記されているか、消費者庁の「機能性表示食品届出情報検索」でその届出番号の内容を確認する習慣をつけましょう。

naturism 3シリーズと腸活関連素材の関係

naturism 各シリーズの食品区分と腸活関連素材(配合事実)
製品 食品区分 腸活関連の配合素材(事実) 機能表示
naturism Blue 健康食品(一般食品) 食物繊維(イヌリン)・アロエベラ・玄米外皮・胚芽 なし(機能性表示食品ではない)
naturism Pink(KOSO) 健康食品(一般食品) 穀物麹(W酵素)・植物発酵物・乳酸菌発酵物(植物由来)・アロエベラ なし(機能性表示食品ではない)
naturism Premium 機能性表示食品(届出番号 H975) 穀物麹・アロエベラ・サラシアレティキュラータ・発酵紅茶・乳酸菌発酵物(ほか) あり(ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンに関する届出表示のみ)

naturism Blue には食物繊維(イヌリン)が配合されています。naturism Pink(KOSO)には穀物麹・植物発酵物・乳酸菌発酵物(植物由来)が配合されています。これらはいずれも健康食品(一般食品)であり、腸内環境の改善・整腸・発酵食品の効果などの機能を表示する製品ではありません。食事を楽しみながらサポートする目的の製品として位置づけています。サプリはあくまで食事の補助としてご活用ください。

naturism Premium(機能性表示食品 届出番号 H975)の機能は、届出に基づく次の表示のみです。

本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能があることが報告されています。

※本品は、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

よくある質問(FAQ)

Q. プロバイオティクスは毎日摂り続けないといけませんか?

はい、一般的には継続的な摂取が勧められます。外来性のプロバイオティクス菌は腸に長期的に定着しにくく、摂取をやめると腸内での菌数が減少することが多いとされています(※1)。毎日の食事にヨーグルト・発酵食品を取り入れるのが実践的なアプローチです。

Q. 味噌汁を温めると乳酸菌は死んでしまいますか?

多くのプロバイオティクス菌は60〜70°C以上で失活します。沸騰させた味噌汁では生菌がほとんど残らないとされています。生きた菌の摂取を目的とするなら、食卓で味噌を溶いて加熱を抑えるか、ヨーグルト・漬物・冷奴の薬味としての納豆など、加熱しない形で摂ることが基本です。ただし、熱処理を受けた「死菌」にも腸への一定の生理作用があることを示す研究もあり、「加熱で全く意味がない」とはいえません。

Q. プレバイオティクスを摂りすぎると問題がありますか?

フラクトオリゴ糖やイヌリンなどのプレバイオティクスを急激に多量摂取すると、腸内細菌がガスを産生しお腹の張り・不快感を引き起こすことがあります。食事で少量ずつ増やし、体調を見ながら慣らしていくのが安全です。また腸の過敏性がある方(過敏性腸症候群など)は、FODMAPと呼ばれる発酵性の糖質全般に反応しやすい場合があるため、主治医にご相談ください。

Q. 腸活のためにサプリと発酵食品、どちらが効果的ですか?

「腸活」の効果は成分・個人差・腸内フローラの初期状態によって異なり、どちらが優れているとは一概に言えません。基本はやはり食事からの多様な発酵食品と食物繊維の継続摂取です。外食が多い・発酵食品が苦手・食事のバランスが崩れがちな方が、食事の補助としてサプリを取り入れるのは現実的な選択肢ですが、「サプリを飲めば食事が疎かでよい」ということにはなりません。一般健康食品には腸内環境改善等の機能表示は認められていないため、機能面の期待をするなら届出内容を確認した製品を選ぶことが重要です。

出典・参考資料

  • ※1 WHO/FAO Expert Consultation: "Health and Nutritional Properties of Probiotics in Food including Powder Milk with Live Lactic Acid Bacteria" (2001)
  • ※2 厚生労働省「e-ヘルスネット」腸内細菌と健康(2023年更新)
  • ※3 Gibson GR et al. "Expert consensus document: The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics (ISAPP) consensus statement on the definition and scope of prebiotics." Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology. 2017;14(8):491-502.
  • ※4 Salminen S et al. "The International Scientific Association of Probiotics and Prebiotics (ISAPP) consensus statement on the definition and scope of postbiotics." Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology. 2021;18(9):649-667.
  • ※5 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)「腸内細菌と健康」
  • 消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索データベース」
  • 農林水産省「食事バランスガイド」
  • あすけんトレンド大賞2025・トレンド予測2026(株式会社asken)

監修体制

本記事は naturism 編集部が公開情報(消費者庁届出データベース・厚生労働省・PMDA 等)をもとに作成し、 管理薬剤師 岩崎喜代美が内容の正確性と表現を確認しています。 医薬品を扱う薬剤師の視点で、記事の内容に誤りや誇張がないかを確認しています。 本記事は医療・薬学的アドバイスを提供するものではありません。 ご自身の健康状態については医療機関にご相談ください。

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