腸内環境と食事の関係を示すイメージ

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とは?食事で分泌をサポートする成分の基礎知識を解説【2026年最新版】

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とは?食事で分泌をサポートする成分の基礎知識を解説【2026年最新版】

監修:管理薬剤師 岩崎喜代美

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をとると小腸から分泌される消化管ホルモンの一種です。2026年現在、GLP-1の名前を目にする機会が急増しています。GLP-1受容体作動薬と呼ばれる医薬品が国内外で注目される一方で、「食事でGLP-1の分泌を自然にサポートできるか」という観点からも関心が高まっています。本記事では、GLP-1の仕組み・食事との関係・サプリメントとの違いを、消費者庁・厚生労働省等の一次情報をもとに正確に解説します。

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とはどんなホルモンですか?

GLP-1(Glucagon-Like Peptide-1)は、消化管(主に小腸下部・大腸)のL細胞から分泌されるペプチドホルモンです。食物摂取後に速やかに血中へ放出され、次のような生理的な働きに関与します(出典:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)。

  • インスリン分泌の促進:膵臓のβ細胞に作用して食後のインスリン分泌を促します。
  • グルカゴン分泌の抑制:グルカゴンの過剰な放出を抑え、食後の血糖の急激な変動を和らげます。
  • 胃の排出速度の調節:胃から小腸への食物移動を緩やかにし、消化のペースに影響します。
  • 脳への満腹シグナルの伝達:視床下部に作用して満腹感に関与します。

GLP-1はインクレチン(Incretin)と呼ばれるホルモングループの一員で、もう一方のインクレチンであるGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とともに食後の生理反応を支えています。なお、GLP-1の半減期は1〜2分と非常に短く、DPP-4という酵素によって速やかに分解されます。

なぜ2026年にGLP-1がこれほど注目されているのですか?

GLP-1が広く知られるようになった最大の理由は、GLP-1受容体作動薬(GLP-1 receptor agonist)という医薬品の国内外での普及です。2型糖尿病の治療薬として承認されてきたこれらの薬剤の一部が、BMIに応じた肥満症治療にも適応が広がり、そのキーワード検索数は2024年比で大幅に増加しています(参考:健康産業新聞 2026年トレンド調査)。

こうした医薬品への関心が高まる中で、「食事・生活習慣でGLP-1の分泌を自然にサポートできないか」という関心も一般に広がっています。ただし、医薬品と食品・サプリメントでは、法的区分・作用の根拠・強度が根本的に異なります。この違いを正しく理解することが大切です。

GLP-1は食事によってどのように変化するのですか?

GLP-1の分泌は食事の内容・量・食べ方によって変化します。食物が小腸のL細胞に到達すると刺激となり、数分以内にGLP-1が血中に放出されます。栄養素の種類によって分泌パターンが異なることが研究で示されています。

主要栄養素・食事成分とGLP-1分泌への関与(研究知見の概要)
栄養素・成分 主な食品例 GLP-1への関与(参考) 証拠レベル
水溶性食物繊維 大麦・オート麦・ごぼう・豆類・こんにゃく 大腸での発酵により生じる短鎖脂肪酸がL細胞を刺激するとの研究あり 動物実験+ヒト研究
タンパク質 豆腐・鶏むね肉・魚・卵・ギリシャヨーグルト 摂取後のGLP-1分泌が炭水化物より持続しやすいとの報告あり ヒト研究(複数)
不飽和脂肪酸 青魚・オリーブ油・ナッツ・アボカド 小腸での消化パターンによってGLP-1分泌タイミングに影響する可能性 ヒト研究(複数)
短鎖脂肪酸 腸内細菌が食物繊維を発酵して産生 大腸L細胞のGLP-1産生に関与する可能性がヒト研究で示唆 動物実験+ヒト研究
ポリフェノール 緑茶・ベリー類・大豆・りんご・ぶどう 腸内環境への作用を通じてGLP-1に関与するとの研究が進行中 動物実験+ヒト予備的研究

※上記はヒト研究・動物実験を含む研究段階の参考情報です。特定の食品・成分が確実にGLP-1を増やすという公的機関の確立した見解ではありません。

医薬品(GLP-1受容体作動薬)と食事・サプリメントはどう違いますか?

GLP-1受容体作動薬は医師が処方する処方箋医薬品です。食品・サプリメントとは法的区分も、作用の根拠も、強度も根本的に異なります。

GLP-1受容体作動薬(医薬品)と食事・サプリメントアプローチの比較
項目 GLP-1受容体作動薬(医薬品) 食事・サプリメントによるアプローチ
法的区分 処方箋医薬品 食品・健康食品・機能性表示食品
入手方法 医師の診断・処方が必要 購入・摂取は自由(機能性表示は届出制)
適応対象 2型糖尿病・肥満症(医師が判断) 健康な一般成人の食事サポート
作用の根拠 治験データ・薬事承認 観察研究・一部RCT(研究段階含む)
副作用管理 医師・薬剤師が管理 重篤な副作用は基本的に想定されないが、薬との相互作用は要確認
機能の届出 薬事承認(PMDA審査) 機能性表示食品は消費者庁へ届出(科学的根拠を提出)

「GLP-1を増やすサプリ」という表現の製品が市場に見られますが、食品・サプリメントが医薬品と同等の作用を示すとは限りません。健康上の問題がある場合は必ず医療機関にご相談ください。

日常の食事でGLP-1の分泌環境を整える5つのポイントは?

GLP-1の分泌は単一の食品ではなく、日々の食事パターン全体が重要とされています。腸内環境のバランスを保ちながら、以下の食事習慣を参考にしてください(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」・農林水産省「食事バランスガイド」)。

  1. 食物繊維を毎食意識する
    野菜・豆類・海藻・きのこ・雑穀を組み合わせ、食物繊維の摂取目標量(成人女性18g以上、男性21g以上/日)を意識します。水溶性食物繊維は腸内発酵を介してGLP-1分泌をサポートする可能性が示唆されています。
  2. タンパク質を各食に均等に分散する
    朝・昼・夕に均等にタンパク質を摂ることで、1日を通した食後の満腹感に関わるホルモンの分泌リズムを整えやすくなります。豆類・魚・鶏肉・卵・低脂肪乳製品を組み合わせましょう。
  3. ゆっくり食べる(目安:20分以上)
    食事時間が短すぎると食べ終わった後にGLP-1や満腹ホルモンが分泌されても脳への伝達が追いつかず、食べすぎにつながりやすくなります。よく噛む習慣が重要です。
  4. 発酵食品と多様な食物繊維で腸内環境を整える
    GLP-1を分泌するL細胞は大腸にも分布しており、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・酪酸など)が刺激になることが研究で示されています。味噌・納豆・ヨーグルト・キムチなどを積極的に取り入れましょう。腸内環境については食物繊維と腸内環境の基礎知識(2026年版)も参考にしてください。
  5. 急激な糖質の大量摂取を控える
    精製度の高い糖質を一度に大量に摂取すると、血糖の急激な変動が起きやすくなります。大麦・雑穀・豆類などの低GI食品を選んだり、ベジファーストを実践したりすることが参考になります。

サプリメントはGLP-1にどう関わりますか?naturism 製品の位置づけ

市場には「GLP-1をサポートする」と訴求するサプリメントが増えていますが、日本の機能性表示食品制度においてGLP-1の分泌促進を届出内容として認められている製品は2026年6月時点で限定的です。食品・サプリメントはGLP-1受容体作動薬(医薬品)の代替にはならないことをご理解ください。

naturism の3製品(Blue・Pink・Premium)はいずれもGLP-1の増加を標榜しておらず、それぞれ独自の位置づけがあります。

naturism 3製品の食品区分と主要成分・位置づけの比較
製品名 食品区分 主要成分(一部) 位置づけ
naturism Blue 健康食品(一般食品) 黒烏龍茶ポリフェノール・L-カルニチン・イヌリン(食物繊維)・玄米外皮・アロエベラ 食事を楽しみたい方の食事サポート。身体変化の訴求なし。
KOSO in naturism (Pink) 健康食品(一般食品) 穀物麹(W酵素)・植物発酵物・L-カルニチン・乳酸菌発酵物(植物由来) 酵素・インナーケアを意識したい方の食事サポート。身体変化の訴求なし。
naturism Premium 機能性表示食品(届出番号 H975) ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(機能性関与成分)・穀物麹・白インゲンマメ・アロエベラ BMIが高めで腹部の脂肪が気になる方向け(届出表示参照)

naturism Premium の届出表示(届出番号 H975):

本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンには、BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能があることが報告されています。

※本品は、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。
※食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスを。
※疾病に罹患している場合は医師に、医薬品を服用している場合は医師・薬剤師にご相談ください。
※本品は子供・未成年・妊婦・授乳中の方には適しません。

機能性表示食品の届出制度については機能性関与成分・届出番号の読み方もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. GLP-1は健康診断で測れますか?

一般的な健康診断の項目にGLP-1の血中濃度は含まれていません。測定は専門の医療機関での研究・診断目的の検査で行われるものであり、市販の検査キットで自己判断することは推奨されません。

Q2. 「GLP-1ダイエット」と呼ばれるものは何ですか?

一般的に「GLP-1ダイエット」と呼ばれるのは、GLP-1受容体作動薬(処方箋医薬品)を使った医療行為を指すことが多いです。これは医師の管理のもとで行われるものであり、食品・サプリメントで同様の作用が得られるとは言えません。自己判断で医薬品を使用するのは危険を伴う場合があります。

Q3. 腸内環境を整えるとGLP-1の分泌に影響がありますか?

腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸がGLP-1を分泌するL細胞を刺激するという研究が複数発表されています(出典:Tolhurst G, et al. Diabetes. 2012)。ただし現時点では研究段階の知見であり、特定の食品・プロバイオティクスで確実にGLP-1が増えるという確立した公的見解ではありません。

Q4. GLP-1は空腹時にも分泌されていますか?

GLP-1は食事をとらない状態でも少量は分泌されていますが、食事摂取に反応して大きく増加します。空腹時の基礎分泌量は食後に比べてはるかに少なく、食事の内容・量・リズムが分泌パターンに大きく影響します。

Q5. サプリメントはGLP-1受容体作動薬(医薬品)の代わりになりますか?

なりません。GLP-1受容体作動薬は処方箋医薬品であり、治験データをもとに薬事承認を得た薬剤です。サプリメント・健康食品はその代替にはなりません。医薬品の使用が必要かどうかは必ず医師にご相談ください。

Q6. ベジファーストはGLP-1の分泌を助けますか?

野菜を食事の最初に食べる「ベジファースト」を実践すると、食物繊維が先に腸内に届き消化・吸収のペースが変わることが知られています。これがGLP-1分泌のタイミングに関与する可能性を示す研究はありますが、ベジファーストが直接GLP-1を大幅に増やすと確定しているわけではありません。食後の血糖の急激な変動を抑える食べ方の一つとして参考にしてください。

まとめ:GLP-1と食事の関係で押さえておきたい3点

  • GLP-1は食事をとることで小腸・大腸のL細胞から分泌される消化管ホルモンで、食後のインスリン分泌・満腹感伝達・胃の排出調節などに関与します。
  • 医薬品(GLP-1受容体作動薬)は処方箋が必要であり、食品・サプリメントとは区分も作用の根拠も根本的に異なります。混同しないことが重要です。
  • 食事面では、食物繊維・タンパク質・発酵食品を意識したバランスのよい食事が、GLP-1の正常な分泌環境を整える観点からも推奨されています。

参考文献・出典

  1. 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「インクレチン」ページ
  2. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」
  3. 農林水産省「食事バランスガイド」
  4. Drucker DJ. The biology of incretin hormones. Cell Metab. 2006;3(3):153-165.
  5. Tolhurst G, et al. Short-chain fatty acids stimulate glucagon-like peptide-1 secretion via the G-protein-coupled receptor FFAR2. Diabetes. 2012;61(2):364-371.
  6. 消費者庁「機能性表示食品届出データベース(届出番号 H975)」
  7. 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」

監修体制

本記事は naturism 編集部が公開情報(消費者庁届出データベース・厚生労働省・PMDA 等)をもとに作成し、 管理薬剤師 岩崎喜代美が内容の正確性と表現を確認しています。 医薬品を扱う薬剤師の視点で、記事の内容に誤りや誇張がないかを確認しています。 本記事は医療・薬学的アドバイスを提供するものではありません。 ご自身の健康状態については医療機関にご相談ください。

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